抄録
熱硬化性樹脂の動的粘弾性の温度分散曲線をどのように解析, 解釈して行くかについて, 考察の背景を述べながら具体的なデータに基づいて解説する。
動的粘弾性のデータを解析することによりガラス転移温度Tgと橋かけ密度ρの関係, 分子運動と硬化反応性の問題, 大変形に関するMooney-Rivlin式を背景とするゴム弾性の解析, 局所モード緩和をはじめ低温緩和に及ぼす因子等を理解することができる。この点動的粘弾性は熱硬化性樹脂を把握する研究に適した手法の一つといえる。また粘弾性は熱硬化性樹脂の物性改質の評価あるいは硬化物の物理的構造性の解析手段として用いうることについても説明し, その有用性を明らかにした。