神経心理学
Online ISSN : 2189-9401
Print ISSN : 0911-1085
ISSN-L : 0911-1085
特集 読み書き障害update
視床病変による読み書き障害
前島 伸一郎岡本 さやか岡崎 英人園田 茂大沢 愛子
著者情報
キーワード: 視床, 脳卒中, 失語, 失読, 失書
ジャーナル フリー

2016 年 32 巻 4 号 p. 322-332

詳細
抄録

視床病変では,運動障害や感覚障害などの神経症状だけでなく,失語症や半側空間無視,記憶障害など多彩な神経心理学的症状をしばしば伴う.一方,失語症を伴わない読み書きの障害が単独でみられることは少ない.読み書きの障害を生じる視床の局在病変として明らかにされているのは,背内側核(DM核)と外側腹側核(VL核),後外側腹側核(VPL核)であり,それぞれ大脳皮質の前頭葉,運動関連領野,感覚野へ投射する.既報告例の多くで,SPECT検査が実施され,同側の頭頂葉や前頭葉,側頭葉の皮質・皮質下に局所脳血流の低下による機能的病変が示されている.

著者関連情報
© 2016 日本神経心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top