2017 年 33 巻 4 号 p. 222-228
大脳内側面や底部(眼窩部)の障害を理解するために,その構造・機能とネットワークについて,臨床医の立場から概説した.その中でも,特に臨床的に重要と思われる,上前頭回や帯状回,楔前部,眼窩面などに関して解説を加えた.これらの部位は,その領域内で局在的に重要な役割を担っていること多いが,線維連絡による他の部位とのネットワークの形成によって,より多くの行動や情動,認知機能とも関連している.これらの解剖的関連を知っておくことは,臨床においても研究においても極めて重要なことである.