抄録
光発電・熱ハイブリッドソーラーパネル(以下、PV/T)は、太陽電池と集熱器の機能の一体化を図ったもので、国内での商業化は、液式平板型は積水化学工業、空気式平板型は著者らによりなされた。PV/Tが普及するには、PVとしての機能を維持しつつ、可能な限りシンプルで製作も容易なデザインであることが望ましい。
本研究の最終目的は、普及型の液式平板型PV/Tの開発にある。本報告では、液式集熱器のチューブオン式の集熱部をほぼ流用した集熱部を、PVモジュールに追加した第一段階モデルについて、国内で唯一の大型ソーラーシミュレータによる屋内試験を実施した。水集熱とプロピレングリコール50%(以下ppg50%)の二種類の熱媒を使用した。
その結果を要約すると、PV/Tの集熱性能は、集熱部にアルミロールボンド構造を使用した谷辰夫らとほぼ同様の性能を得た。また、屋内試験ならでは、周囲風速を変化させた場合の集熱効率、光電変換効率、など多くの知見が得られた。