抄録
前報において、狭隘間隙内沸騰現象の伝熱特性を支配する主な要因であり、蒸気泡と伝熱面の間に形成される薄液膜の形成機構と特性を解明するため、無次元数のReynolds数とWeber数を用い、実験結果の整理を行った。その整理の結果により、小Weber数の領域内無次元薄液膜厚さはWeber数に対する直線的に増加することが示したが、大Weber数の領域内の傾向がまだ不明なので、本研究は前報に用いた水、エタノールとトルエン三種類の液体より、密度と表面張力の比率が相対的に大きく、大Weber数の実験データを取れる可能性がある冷媒のHFE-7200を用いて、薄液膜の厚さ測定を行った。実験結果の無次元分析により、前報に提出された無次元初期薄液膜厚さとWeber数の関係式はHFE-7200にとってもよく適用されることが示した。