抄録
本研究では,高温面をスプレー冷却する際の冷却水側の液滴径,液滴速度と被冷却物の熱物性,表面性状との関係が冷却に及ぼす影響について調査した.実験では三種類の熱伝導率の異なる試料を用い,液滴径,液滴速度を変化させ液滴の冷却曲線を求めた.三種類の試料にSUS304,真鍮,アルミニウムを用い,粗さはそれぞれの試料でRa0.04 ,Ra0.2,Ra3,Ra10のものを用いた.液滴径と液滴速度はマイクロジェットディスペンサーで制御し,液滴径は300~700μm,液滴速度は1.0~4.0m/sで実験を行った.試料を630℃まで加熱し,500℃から100℃まで冷却しその冷却曲線を描き,空冷の冷却曲線と比較し,液滴1個あたりの奪う熱量について考察した.