抄録
高熱負荷のタービン翼後縁カットバック面ではスロット吹き出しの冷却空気によりフィルム冷却が行われる.本研究では,カットバック面の粗面化の乱流場への影響を,2次元粒子追跡流速計を用いて調べた.主流・冷却流の質量流束比を0.5~2.0,レイノルズ数を主流で最大36000,冷却流で最大12000まで変化させて実験を行った.粗さ要素には直交リブまたは球状ディンプルを用いた.カットバック粗面上部では粗さ要素配置に応じた周期的渦構造となり,ディンプル後縁とリブ前縁・上面の各付近で乱れ強度とレイノルズ応力が上昇した.