抄録
プリント基板などの複合材料からなる平板の平面方向熱伝導率測定法として，平板の一端を加熱し他の部分を冷却したときの平板の温度分布と直線フィン温度分布の理論式とをフィッティングさせることにより平板の熱伝導率をもとめるフィン温度分布フィッティング法を研究している．ここでは，直線フィン温度分布の理論式として(1)平板端部断熱条件の式を用いる場合，(2)平板上の2点温度固定条件の式を用いる場合の２種類の方法での温度測定誤差が熱伝導率測定値に与える影響について１次元フィンの数値解析により検討した．その結果(1)は±10％の不確かさで測定可能であるのに対し，(2)は不確かさ±10％以下での測定は困難であることが明らかとなった．
