日本文学
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『とはずがたり』における父の遺言 : 「好色の家に名を残し……」の問題
向井 たか枝
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1984 年 33 巻 10 号 p. 28-34

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抄録

『とはずがたり』は愛と信仰をテーマとした中世日記文学の代表的作品である。その方向を決定付けたものの一つに巻一の父の遺言がある。これは『源氏物語』宇治十帖の八宮の遺言にも匹敵する重要なものである。その言葉の中から「好色の家に名を残し」「世を捨てて後はいかなる業も苦しからぬ事なり」を再検討して、本作品の中世的性格を指摘し、『とはずがたり』成立の意味を考える。

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© 1984 日本文学協会
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