日本文学
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特集・近世文芸における師弟
  • ――『岡崎日記』前後――
    伊藤 善隆
    2017 年 66 巻 10 号 p. 2-12
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2022/10/26
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    出雲市大社町の手錢記念館には、大社俳壇に関する重要な資料が残されている。とくに、京都岡崎の空阿から去来系の伝書を授けられて出雲に帰国した百蘿の俳論書を検討することで、近世中期における俳人の師弟関係が、教わる側の積極性や、教える側の合理性や具体性において優れた面を持っていたことを明らかにした。また、以上の検討により、百蘿を典型的な中興期俳人として評価することが可能であると指摘した。

  • ――真淵の「万葉風」詠歌をめぐって――
    高野 奈未
    2017 年 66 巻 10 号 p. 13-22
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2022/10/26
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    賀茂真淵の「万葉風」詠歌の教えに実際は従わなかった門人たちが、真淵のその教えをどのように語るかを検討することで、近世国学における師弟のあり方を示した。江戸派の春海・千蔭は、自身の詠歌と食い違う師の教えの内容について、それを否定するのではなく、自身の詠歌が師の学統に列なるように教えを語った。春海の弟子の浜臣は、春海の主張を忠実に受け継いで県居門の顕彰につとめ、門流の正当性を示そうとした。

  • ――『四方義草』を視座にして――
    木越 治
    2017 年 66 巻 10 号 p. 23-33
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2022/10/26
    ジャーナル フリー

    寛政五年刊行の『四方義草』は、都賀庭鐘や上田秋成による前期読本の試みを作者なりに受け継いだ作品とみなしうる。白話小説との関係で説かれることの多い前期読本であるが、序文で「直き」ことを標傍している作者姿勢は、前期読本がめざした勧善懲悪によらない倫理的な作品のあり方を追究したものとして注目に値するものであり、前期読本が育んだ近世短編小説の方法を解明するうえでも重要な作品である。

  • ――和文・勧懲・『源氏物語』――
    山名 順子
    2017 年 66 巻 10 号 p. 34-45
    発行日: 2017/10/10
    公開日: 2022/10/26
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    石川雅望の読本『近江県物語』は文化五年(一八〇八)に出版された。当時、大田南畝が本作を好意的に評価した一方で、後期読本の主流を担う曲亭馬琴は雅望の読本そのものへの言及を避けた。本作が李漁の『巧団円伝奇』の忠実な翻案でありながら、馬琴が批判的であった和文(雅文)で叙述されたこと、因果応報が曖昧であり、勧懲の完遂をみないことが馬琴の不興を買った一因であろう。

    本稿では、まず、本作と『巧団円伝奇』との人物造形の相違点を再検証し、雅望が馬琴とは異なる勧懲を描出した可能性に言及する。そのうえで、主人公梅丸に注目する。梅丸の造形は大部分を『巧団円伝奇』の主人公姚継に拠る一方で、様々な日本古典文学作品の影響下にあるとの指摘も多く、雅望の国学への興味を示唆するものである。南畝らとともに﹁和文の会﹂に参加し、後に『源氏物語』の注釈書『源註余滴』を著した雅望が、梅丸の出生譚に桐壺巻を利用した可能性を指摘する。

 
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