宇都宮大学
1986 年 35 巻 10 号 p. 80-85
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宮沢賢治作「どんぐりと山猫」の冒頭、山猫のはがきの末尾にある「山ねこ 拝」を読みとくことなしには、この作品は完全には読み解けまいと思う。この言葉の二重性の振幅の間に作品そのものがあるのだから。そこから、この言葉を書いた馬車別当の土地の言葉と一郎の標準語との間に、この物語の言語空間があることをいい、賢治を標準語に引き寄せたもの、また彼を土地の言葉に引き戻したものの存在を考えたい。
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