松江市立本庄小学校
1986 年 35 巻 12 号 p. 29-42
(EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)
(BibDesk、LaTeXとの互換性あり)
安部公房『砂の女』は、是迄、佐々木基一氏を始めとする論者により、変革者誕生の物語として捉えられて来た。が、この理解では、後の作品との繋がりが不明瞭となる。本稿では、筆者なりの『砂の女』分析を通し、当作品が、定着を当然と見做す固定観念から解放された人間誕生の物語であると結論した。この理解に立つことにより、<辺境>から<内なる辺境>へと進む安部の歩みにおける、当作品の持つ意味が明確となる。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら