日本文学
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前期物語の話型(<特集>古代の物語-話型)
高橋 亨
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1986 年 35 巻 5 号 p. 24-33

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抄録

物語作品のテクスト全体を生成する文法として話型をとらえる。物語文学の話型は単一ではなく、複合や解体による表現の文法を織りなす。平安朝物語とくに長編化する作り物語の基本となったのはI羽衣型であり、II浦島型はこれと鏡像関係にある。異郷譚に主人公の性を組み合わせて、さらにIII三輪山型と・住吉型〔アリス型〕とモデルを設定し、前期物語史を検討した。話型と物語的な構想力との関係、現実を対象化するまなざしの差異から、長編化と短編化の文法を考える。

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© 1986 日本文学協会
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