日本文学
Online ISSN : 2424-1202
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事実の創造的劇化(シンポジウム,文学教育における虚構とは何か,国語教育の部,<特集>日本文学協会第41回大会報告)
大河原 忠蔵
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1987 年 36 巻 3 号 p. 10-20

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抄録

事実を創造的に劇化するドキュメンタリーの方法を、作文指導に取り入れることを提案する。高度に発達した管理社会の中で、現代人は絶えず自己喪失に陥る危険にさらされている。自分に関わる事実を創造的に劇化することにより、主体はその生存を創造的につかむことができる。その方法として、事実の連結、総合、抽象、誇張があり、それは虚構の方法に含まれる。その方法により、事実の劇的性格、矛盾が外へ引きずりだされる。

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© 1987 日本文学協会
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