日本文学
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「擬古」の世界認識 : 古文辞学における表現様式理解をめぐって(<特集>「近世詩」をめぐって)
澤井 啓一
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1990 年 39 巻 10 号 p. 1-10

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抄録
荻生徂徠は唐詩をモデルとする「擬古」を提唱した。徂徠の唐詩モデル論の分析から、文字が人為の、音声が自然の表象であり、聖人によって制作された<古文辞>とは両者の調和的結合が達成された言語モデルであるという言説が取りだされる。徂徠は、この<古文辞>の分裂・崩壊過程という歴史=物語のなかで、<古文辞>による「擬古」を提唱した。徂徠における「擬古」は、不可視な現実世界を確かに把描するための認識-表現行為であった。
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© 1990 日本文学協会
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