関東学院女子短期大学
1991 年 40 巻 5 号 p. 60-73
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『田園の憂欝』は、当初ブレイクの詩をその巻頭に掲載していたことからもわかるように、絵画的な趣向が全篇に行き亘っていた。この絵画的趣向が作品に与えた意義はじつに種々様々なのであるが、その意義のひとつに『田園の憂欝』特有の"多声的な文体"の形成という点があった。これはポーの文学的心理解剖を作品構造に応用したこととも密接に関連し、またその"多声的な文体"の内実は、当時の春夫の創作主体の微妙な位相を我々に解きあかしてくれるものでもあった。
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