成蹊大学
1992 年 41 巻 2 号 p. 1-11
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鴎外の妻として知られるしげ女の再評価に向けての試みである。代表作「あだ花」の主人公は嫉妬の感情を全く欠いている。その性格設定の特異さは、彼女の結婚に関わるさまざまな立場の人々の女性観や結婚観を浮き彫りにしているが、さらに彼女の感性をかなめとして新旧の意識を描きだすこの作品の方法には、一見対立的なそれらが、無意識下では共通の固定観念に支配されたものではないかという発想を読者に促す力を認めうるのである。
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