日本文学
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室町物語の絵画世界 : 稚児・童子の風景(<特集>絵画とことば)
濱中 修
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1992 年 41 巻 7 号 p. 13-23

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抄録
童子の境界的存在としての姿を室町物語の絵画と文章を通して具体的に見ていきたい。童子にとって笛は近しい楽器であるが、その奏される場が山・峠・鬼国などであるのは童子の境界的性格を考える上で興味深い。更に彼等は境界的世界を漂泊するべく運命づけられている如くであるが、そこで境界的人間、中でも非人などと濃厚な交わりを持っていることの意味は重い。神話的物語より出発して、やがて社会的な視点・意識を明瞭に獲得していったものと思われる。中世後期から近世初期にかけての庶民文学の貴重なる達成であろう。
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© 1992 日本文学協会
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