慶應義塾大学
1994 年 43 巻 11 号 p. 66-77
(EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)
(BibDesk、LaTeXとの互換性あり)
笙野頼子は夢について語りつづける。もちろんこれまで「夢」といったら、伝統的なリアリズム文学が忌避し、伝統的なシュールレアリスム芸術のみが特権化してきた手法であった。けれども、初期短・中編群から、昨今の中・長編群へ至る過程で、笙野頼子はむしろ、従来の二分法ではおさまりきらない日本的無意識特有の「夢」を紡ぎ出す。それは、読者の認識論的準拠枠とともにジャンル論的準拠枠をもゆさぶってやまない。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら