日本文学
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交感することば : 古事記の「見感(め)で」と「見驚き畏(かしこ)み」(<特集>交感する古代)
吉田 修作
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1996 年 45 巻 5 号 p. 1-9

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抄録
古事記の神婚譚において、異界の男女は「見感で」ることによって出会い、「見驚き畏み」を契機として離別するという類型が見られる。前者のことばは異界と交感した時の親和を、後者はそういう状況での異和を示す表現である。その中でトヨタマビメとヤマサチ、雄略とアカヰコの話には、そういう類型を踏みつつ、「見驚き畏み」が直接別離に至らずに、相互が歌によって親和を確認するという、個別的情が生成されている様が読み取れる。
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© 1996 日本文学協会
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