日本文学
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「水仙の作り花」をどう読むか : 『たけくらべ』の結末(<特集>〈文学のジェンダー構成〉)
木股 知史
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1998 年 47 巻 11 号 p. 12-21

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抄録

『たけくらべ』の結末に描きこまれている「水仙の作り花」については、(1)信如の境遇についての暗示的表現 (2)信如の内面(美登利に対する感情)の暗示的表現 (3)信如と美登利の関係性についての暗示的表現 (4)投影された美登利の内面の暗示的表現 (5)テクストの外から持ち込まれた語り手の介入的メッセージの暗示的表現、というように多義的に理解することができる。多義性をまとめあげるために、<恋愛>という枠組が必要とされ、そのことが理解を拘束していることを検討する。

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© 1998 日本文学協会
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