日本文学
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「花桜折る少将」論 : ちぐはぐさと過剰さと
小島 雪子
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1998 年 47 巻 9 号 p. 8-18

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抄録
「花桜折る少将」は、先行の物語の筋書きのみならず、恋の物語ではおなじみの道具立てや主人公への常套的な称賛の語り口を際立たせ、読者に対象化を促すしくみをもつ。取り合わせのちぐはぐさや過剰さによって、様式化した物語の語り性/騙り性を問題化するこの物語のあり方を明らかにした。また、そのようなテクストの表現効果を論じるだけでは不充分なジェンダーの問題をも孕んでいるので、その点についても考察を加えた。
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© 1998 日本文学協会
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