2000 年 49 巻 1 号 p. 1-10
万葉研究は、源氏物語の研究と並んで、日本文学研究のなかでも、もっとも研究蓄積の大きい分野である。もはや蓄積された研究情報は、個人の管理能力を越えるものである。そういったなかで、現在どのような研究情報の整理が行なわれ、データベースの構築が計画されているかを報告している。さらには、研究の細分化が、万葉研究者の「研究」と「教育」にどのような影響をもたらし、それにどのような対応が図られているか、筆者自身の研究戦略の模索を通して、万葉研究の現状と未来を分析している論文である。