静岡大学
2001 年 50 巻 12 号 p. 31-39
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近世に写本で流通した実録は、近代以降、「歴史ではなく文学・小説」とされてきた。しかし、個人の責任において固定されたテクストを他者として読む読本などの小説と、共同体が出来事を解釈してテクストを流動させる実録とでは質的に大きな隔たりがある。実録の、本文の流動性と固定化、作者の不在、という特徴を手がかりに、印刷文化の普及した時代に写本で流通した事実の位相を考察した。
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