学習院大学大学院
2002 年 51 巻 1 号 p. 29-37
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<歴史認識>をめぐって議論の喧しい今日、<歴史小説>というジャンルについて考察する端緒として、本論では、従来<歴史小説>という観点からは評価されることの少ない芥川龍之介のいわゆる<歴史物>の中で、異彩を放つかに見える「糸女覚え書」を取り上げた。徳富蘇峰『近世日本国民史』という、学士院恩賜賞を授与され、売れ行き好調な同時代におけるスタンダードな<国民の歴史>に対し、芥川のテクストが持つ批評性を確認する。
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