日本文学
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一九二七年の中原中也 : ダダと象徴の詩精神
長沼 光彦
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2002 年 51 巻 2 号 p. 30-37

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抄録

従来の論で一九二七年の中原中也は、ダダに対する熱意を失っていたとされる。だが当時の日記には、むしろダダを積極的に考察した痕跡が見られる。当時の中原は様々な文学的教養に照らしながら、自己の詩心の在処を確かめようとしていた。特に現象の流動性を捉えることを詩人の本領と考え、ダダの精神にその典型を見たのである。また流動性の表現は中原にとって、ダダと象徴詩をつなぐものであり、詩心の行方を決めるものだった。

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