神奈川県立衛生短期大学
2002 年 51 巻 9 号 p. 1-9
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景が美意識によって捉えなおされる契機として交友の世界がある。家持の越中秀吟の一つである(四一九九)を中心に、藤が和歌に定着し発展する様を検証した。家持の<藤>は、予祝的な景表現から脱し、越中での交友の世界での美の追求の果てに捉えられた景であった。(四一九九)の美の構図は類句を立体的に組み上げつつ創造されたものであるが、とりわけ藤と水のモチーフは、布勢の湖での交友の世界で成立し、平安以降の和歌に継承される貴重な成果であった。
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