2002 年 51 巻 9 号 p. 47-56
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一九二七年四月、『新青年』に掲載された萩原朔太郎「死なない蛸」は、その後、散文詩集『宿命』(一九三九年)等に再録される。「死」が共同体によって意味付けられる戦場の思考のなかにあって、このテクストは"死ねない"という死の不可能性を提示する。本稿は、「死なない蛸」に同時代のテクストとの関連の中で、表象不可能な死ねない"なにか"たちによる明かしえぬ友愛の、不可能性としての生起を見出していきたい。
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