日本文学
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「罪」と「悪」 : 思想の交錯地点としての軍記物語
高村 圭子
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2004 年 53 巻 5 号 p. 60-67

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抄録

古典作品中における「罪(罪業)」と「悪(悪行)」という概念には明確な区別がなされないことが多いが、厳密に見ると「悪」は他者に明確な損害を与えるもの、「罪」は他人ではなくむしろ自分を傷つけ悩ませるもの、という傾向がある。小稿では、人間の「罪」と「悪」の両相を描く軍記物語である「平家物語」を中心に、二つの思想が重なり合って作品世界を形成していく様相を、他の古典作品との比較を交えて分析していく。

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© 2004 日本文学協会
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