日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
<文学的感染>論・序説/一九一〇年前後 : 抑圧される<身体(自然)>/<メディア(表象)>の専制力
大石 直記
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 53 巻 8 号 p. 54-63

詳細
抄録

一般にメディアが産み出す表象群は、それを受容する者の<生>に甚大な感染的効力を発揮する。殊に文学が主要なメディアとして広く、多大に機能した時代においては、読者たちの<生>が、例えば小説というメディアによって浸蝕される。そうした事態を、先ずは序説として一九一〇年前後という局面において捉え、森田草平「煤煙」を問題的なテクストとして、それをめぐる鴎外・漱石の同時代的な批評的立場を浮き彫りにしようと試みた。

著者関連情報
© 2004 日本文学協会
前の記事 次の記事
feedback
Top