金沢学院大学
2006 年 55 巻 10 号 p. 2-12
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『歌聖伝』を人麻呂の伝記や伝承に関する文献考証の書ではなく、秋成固有のモチーフで記述した書として読む。みえてくるのは、歌は所詮言語遊戯であり、政治・社会での官位に匹敵するものでも歌聖として神格化し得るものではないという秋成の考え。今一つは、国学文献主義に立っているはずなのに、伝承や碑文にこだわってしまう秋成の姿。これらは、近世における「言語」の問題、近世における「伝承」の問題といった、新たな課題を秋成研究に投げかけてくる。
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