日本文学
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「曾根崎心中」成立の意義 : 世話狂言との比較をめぐって
早川 久美子
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2007 年 56 巻 12 号 p. 35-44

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抄録
「曾根崎心中」の研究史は、近松がいかに世話狂言などの先行作を下敷きにしていたかという、成立基盤の解明に重きが置かれていた。本稿では、本作品成立の意義を追求するため、先行世話狂言である「心中茶屋咄」、「河原心中」の二作品を取り上げ、そこでの心中原因の描かれ方を比較検討した。近松は、九平次を創作したことによって、生玉社の場からお初の行動に焦点を当てていることがわかった。お初は、困難に耐えながら徳兵衛への思いを貫いてゆく。
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