同志社大学大学院
2007 年 56 巻 12 号 p. 55-66
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一九三〇年代に発表されていた一葉を主人公とする物語を検討し、受容される現在時において作家像がリアリティを獲得していく様相を考察した。本論で注目した三作品は、直接関係を持ちながらも異なる<一葉像>を結んでいたのだが、その変容には、同時代の女性をめぐる状況との連動が認められる。また、作家の経験と作品誕生とを直接結ぶ物語における<一葉像>の変容は、作品評価の変質を招くものであったことにも留意し、この時期の一葉再評価の内実を明らかにした。
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