日本文学
Online ISSN : 2424-1202
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夢の主体化 : 吉屋信子『花物語』初期作の<抒情>を再考する
高橋 重美
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2007 年 56 巻 2 号 p. 26-37

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抄録

少女小説批評は、長らく『花物語』の美文の「抒情性」を少女の本質に由来する特質としてきたが、近年の研究は抒情が少女の占有物ではなく、同時代の文学ヒエラルヒーの中で広く共有された感性であったことを明らかにした。本稿はそれを踏まえた上で、少女の抒情がどのように別枠化されていったかを、少女フィクション形成時の、規範が物語として構成される過程に注目して分析し、近代少女表象の根本的な逆説性について考える。

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© 2007 日本文学協会
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