日本文学
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<性>と<病>の系譜 : 源氏/非源氏の<性の言説>と<言説の性>(<特集><非源氏的なもの>の系譜)
大胡 太郎
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2008 年 57 巻 5 号 p. 22-30

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抄録

<性>と<病>の接点として<いろごのみ>を取り上げ、それが平安朝の性愛体制の中で系譜をなすこと、および<性の言説>を語る<言説の性>としての男性によって「矯正」されており、そのため、物語の語るレイプには、男性としての言説編制によってあらかじめ当事者<被害者・生存者>の声が奪われており、このような言説の植民地的状況そのものが<非源氏的なもの>の頂点をなすことを論じた。

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© 2008 日本文学協会
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