日本文学
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産育信仰の呪歌 : 枝折山説話の周辺(<特集>宗教をめぐる中世の言説)
大島 由紀夫
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2008 年 57 巻 7 号 p. 45-51

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抄録

中世の唱導・注釈の世界で生成・展開した枝折山(しおりやま)説話は、「奥山に〜」という和歌を核とするが、この歌が枝折山説話と離れて産育信仰の呪歌としても存在していたことが神道の切紙(きりがみ)伝授資料によって明らかになった。この歌の最も古い記載文献である『今物語』において、背景に枝折山説話を担いつつもそこから離れて一種の呪歌として記されることの所以は、このような状況をふまえてこそ、理解されるのである。

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