活水女子大学
2009 年 58 巻 3 号 p. 15-23
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「読む」とはストーリー(物語・出来事)を読むことではなくプロット(筋)を読むことである、という前提に立った上で、<小説>はさらにプロットの外に「語り手」と読者が並び立つことをその力学として持っているのではないだろうか。『舞姫』はその力学の体現として、「弱さのプロット」を座礁せしめることで、「語り手」の後悔と自責を超えて、日本とヨーロッパの狭間に宙ずりされた至福と奈落の光景を蘇らそうとした。この時「読む」とはプロットの外を読むことにほかならない。
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