日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
快楽を語る言葉 : 一九八〇年代フェミニズムと森瑤子の<女ざかり>(<特集>日本文学協会第63回大会文学研究の部(第二日目) 共同制作される世界-<文学>の混沌に向き合う-)
生方 智子
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2009 年 58 巻 4 号 p. 2-14

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抄録

今日のポストモダン論は、現代の文化的状況をとらえるに際して依然として近代の枠組みを用いている。しかし、一九八〇年代フェミニズム理論は、資本主義経済下において周縁化され搾取される領域として存在する再生産の場を問うことで、近代を批判的に対象化することを目指していた。「女ざかり」をテーマとした森瑤子のテクストを通して、八〇年代フェミニズムが人間の新たな生の存在様態を探求していたことを明らかにする。

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© 2009 日本文学協会
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