神戸大学大学院
2009 年 58 巻 9 号 p. 43-51
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明治初期文学の重要な証言者である野崎左文は、自由民権運動期においても、戯作者は依然として旧態を脱しえないままだったと回想する。本稿では、仮名垣魯文の高弟たる渡辺文京と、同じく魯文門下の左文との比較を通じ、戯作者がいかに自由民権運動と関係したか、一つの再現を試みる。左文の右証言は誤りであるというのが、本稿の結論である。自由党と親密な関係にあった戯作者渡辺文京にとって、自由民権運動は、人生行路を左右するほどに重大な出来事だったのである。
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