大阪大谷大学
2010 年 59 巻 2 号 p. 1-8
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従来『長谷寺験記(はせでらげんき)』は鎌倉初期の成立とされてきた。本書上巻第17話に正治二年(一二〇〇)という年号が見え、成立の上限は確定できる。一方本書には建保七年(一二一九)の長谷寺焼失などに関する記述がない。それが下限推定の根拠とされてきたのである。だがある記事の欠如のみで決定的な根拠とすることはできない。本稿は『長谷寺験記』の本文の読みこみを通じ、本書の成立年代が十三世紀後半にくだることを論じたものである。
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