神戸大学大学院
2010 年 59 巻 9 号 p. 22-30
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仮名垣魯文の高弟・二世花笠文京は、明治十年代後半、すなわち近代小説誕生期に社会的に著名であった小説家である。本稿は、この期における彼の文学活動を、政治小説『才子佳人/蛍雪美談』(明一七)、「社員惣代」を務めた絵入自由出版社での活動、そして某県知事の暗殺を盛る『壮士の浮沈芸妓の苦楽/色の革命』(明二三)から再現する。文京にとって、小説とは、西洋世界が生み出した「自由」と「民権」とを普及するための社会運動そのものであった。
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