東京大学大学院
2012 年 61 巻 4 号 p. 53-62
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種彦の合巻『女模様稲妻染』における敵討の場面は、登場人物が大津絵の画題に扮装して歌いながら踊るという大津絵の所作事に擬えて描かれている。それはこの作品が、大津絵を題材として近松の『けいせい反魂香』の影響を受けた合巻である三馬の『吃又平名画助刃』と京伝の『濡燕子宿傘』とは異なる趣向で書かれたことを意味する。種彦により舞台上の所作事は、読み物である合巻の紙上に再現されることが可能になったのである。
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