大谷中・高等学校
2015 年 64 巻 1 号 p. 32-44
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新課程で十三種類の教科書に採録されている『舞姫』は、高校教科書の代表的な定番教材である。しかし、教室では、近代文学研究分野での膨大な「舞姫」研究の成果から何を学び、どう教室の授業に生かすかの共通理解がなされないまま、相変わらず、「近代的自我の覚醒と挫折」のドラマとして読まれ続けている。ここでは、セイゴンの港でエリスとの出会いと別れを記す「手記」の、その「物語」を超えたところに〈語り手〉が意識化できていない心の闇が広がっていることを指摘したい。
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