二松學舍大学東アジア学術総合研究所
2016 年 65 巻 12 号 p. 1-12
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『彼岸過迄』には形式と物語内容の両面においてスティーヴンソン〈新アラビア夜話〉の影響が見られる。二作は「好奇心」をめぐる物語である点で共通するが、日本においてスティーヴンソンが高等英語教育のなかで読まれた事情も手伝い、『彼岸過迄』の「好奇心」は教育により抑制されたものとなる。教育に枠付けられた「好奇心」は、異なる階級や性への広がりを徐々に失い、「高等遊民」たちの範囲に止まるという屈折を抱える。
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