上智大学
2016 年 65 巻 5 号 p. 13-27
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アジア史の局面には、平地における水田経営から王権、領域国家へと展開した権力、および同一の文化を共有する集団が、狩猟や焼畑を生業とする山地の集団・文化を疎外する言説が確認される。ヤオ族の持つ漢文文書『評皇券牒』は、かかる山地/平地のカテゴリー生成における神話=歴史、民族的アイデンティティーと、その忘却の意味を考えさせる。それは、定住社会の幻想と稲作至上主義に束縛され続ける、「日本文学」「日本歴史」の歪さをも暴露することになる。
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