2019 年 173 巻 p. 69-76
2001年に欧州評議会が発表したCommon European Framework of Reference for Languagesは近年,様々な外国語教育で受け入れられてきているが,これらの取り組みの多くは言語参照レベルに注目が集まっており,それぞれの言語参照レベルにおいてどのような能力が重視されているのかについては理解が深められていない。そこで本稿では,視覚的な受容的活動でどのような能力が重視されているかを明らかにするために,視覚的な受容的活動のCan-doに書かれているテキストを計量的に分析し,各レベルの語の共起関係から考察をおこなった。その結果,A1レベルからB1レベルまではテキストの種類とその読み方が重視されているが,B2レベルからはテキストの内容をどの程度理解しているのか,ということが重視されていることが明らかとなった。