日本語の研究
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琉球方言の焦点化助辞と文の通達的なタイプ(<特集>琉球語を見る/琉球語から見る)
かりまた しげひさ
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2011 年 7 巻 4 号 p. 69-82

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抄録

琉球方言にひろくみられる助辞=duをふくむ文は、=duに呼応して連体形と同音形式の述語が文末にあらわれることから、おおくの研究者が=duを古代日本語のゾとおなじ係助辞とよび、琉球方言に係り結びがあると主張してきた。琉球方言には=duとおなじ文法的な特徴をもつ=ga、=nu、=kuse:がある。内間(1985)は那覇方言の=gaを、仲宗根(1983)は今帰仁方言の=kuse:と=gaを、平澤(1985)は宮古方言の=nu、=gaを係助辞とみなした。本稿は那覇方言、今帰仁方言、宮古方言、八重山方言の=du、=ga、=kuse:、=nuをふくむ文の通達的なタイプと文末述語を検討し、当該助辞が特定の活用形と必ずしも呼応していないこと、当該助辞の機能が焦点化であることをのべる。

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