日本語の研究
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  • 松森 晶子
    2019 年 15 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    諸鈍方言における「k'uˑp(首), Ɂusaˑk(兎)」の語末の閉音節、「kutuːba(言葉), waɾaːbï(子供)」の語中の長音節、「ɸuk'ɾu(袋), Ɂapɾa(油)」の語中の閉音節に代表されるように、奄美大島南部の瀬戸内町の諸方言には、重音節が頻出する。本稿では、これら重音節構造の発生の原因についての通時的考察を行い、その考察を通して、この地域に生じたいくつかの音変化の相対年代についての提案を行う。まず本稿では、これら重音節の生起は、この地域に過去に生じたアクセントの変化と切り離して説明することはできないことを論じる。また、どのような条件のもとでこれらの重音節構造が生じたのかの理解には、半狭母音の狭母音化(*o>u, *e>ï)との相対年代をも考慮に入れる必要があることも論じる。本稿では、瀬戸内町を中心とする奄美大島南部の諸方言では、これら重音節の発生を動機づけた変化よりも、狭母音化のほうが後に起こったと想定されることを論じる。

  • 藤田 拓海
    2019 年 15 巻 1 号 p. 18-34
    発行日: 2019/04/01
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    平安時代の古辞書『新撰字鏡』所引の『切韻』を扱った専論としては, 上田[1981] が実質唯一のものであり, その成果は上田[1984]に反映されている。ただし, それぞれ問題点も少なくない。『新撰字鏡』の依拠『切韻』については, 上田[1981]が長孫訥言『切韻』の系統としているが, 貞苅[1989]では下平声部分のみ異なることを述べている。本稿ではまず, 貞苅[1989]のいうごとく下平声部分のみ異質であることを例示し, その特徴が「唐韻」系のものであることを指摘する。続いて, 上田[1981]が長孫訥言『切韻』の増訂本として挙げた例証に問題が多いことを述べる。また, 上田[1981, 1984]では『切韻』反切の誤った採録例を挙げているが, そうした特殊な引用がほかにも多数見られることを, 実例を挙げて示す。

〔書評〕
日本語学会2018年度秋季大会シンポジウム報告
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