2003 年 43 巻 p. 20-32
中山間地域の活性化のために今日、都市・農村交流に依拠した農村観光産業が重視され、多くの地域でその取り組みがみられる。 このような状況下にあって、本稿は、次の2点を課題とし理論的実証的分析を進めたものである。 1) 中山間地域の活性化のために、農村観光産業の振興とくに重要であり、適切であることを明らかにする(理論的接近)。 2) このうえで、農村観光産業の振興のために、地域の主体的取り組みが特に重要であり、これのあり方と課題を明らかにする(新潟県東原地域の事例による実証的接近)。 グリーンツーリズムの呼称のもと、中山間地域における農村観光産業の取り組み事例の紹介は多い。しかしその重要性、適合性、導入手法を体系的に分析した研究成果は乏しい。本稿はこれに挑戦したものである。