コロナ禍で制限されていた「二国間の双方向の観光交流(ツーウェイツーリズム)」も国際線の受け入れ空港の緩和などを受け、緩和されるようになった。しかし、障害者の中でも精神障害や発達障害を有するものは「向精神薬」を服用していることから、国境を跨ぐ際には煩雑な手続が必要である。その一例として海外旅行傷害保険や薬剤携行証明書に関する問題がある。本研究では、これらの問題点を明確にし、関係者間の「建設的対話」につなげていくこと。その上で、発達障害や精神障害を有する者が海外旅行や留学を円滑かつ安心して行えるよう、解決策を提案し、障害当事者のみならず、施設側などの負担を軽減し、国を跨ぐ移動時に生じる当事者・事業者側などの「心のバリア」を軽減し、結果的に当事者・事業者側の経済的負担や心理的負担などの軽減にも寄与できる。よって本研究で指摘する点は、精神障害や発達障害を有する者が今後も予想される国を跨ぐ、国際間の観光に必要不可欠な事項であるため観光学の観点からも有益である。